「ビューティフル」と言われたある日のこと

Issue.018

「ビューティフル」と言われたある日のこと

皆さま、こんにちは。

100%ヴィーガンコスメブランド「mirari」の代表カン・ハンナです。

この一週間もお元気にお過ごしでしたでしょうか。私は先週の金曜日にオーストラリアから日本に帰ってきまして、また日常に戻りました。

今回のお手紙では「ビューティフル」と言われた日のことについて、皆さまにお話しできればと思います。

数ヶ月の前のことですが、ノルウェーから日本の女性起業家の調査を行なっている研究員の方々から連絡をいただき、インタビューを受けることになりました。ノルウェーから日本に訪れた彼女たちは、とても穏やかな性格で真面目なお二人でした。日本で会社を設立することになった背景や、日本でビジネスを行なってきたヒストリーなど、色んな質問を受けながら私の話をお伝えしました。そのなかで、彼女たちは何度も「ビューティフル!」という言葉を口にしていました。特に私の想いを伝える場面では、瞳を輝かせながら「ビューティフル」と言ってくれたのです。不思議な経験でした。

自分の人生のなかで「美しいですね」と直接言われたことはどれほどあったのだろうか。特に自分の考え方や生き方、そして想いについて美しいとその場で褒められることは、それほど多くなかったように思います。だからこそ、彼女たちが放つ「ビューティフル」という言葉に慣れなくて、その日は素直に喜べなかった記憶があります。

そして時間が経ち、先日オーストラリアのパースで、少し似たような経験がありました。夫と二人で地元のイタリアンレストランを訪れたとき、そのレストランのスタッフの方とこのような会話をしました。

「今日は特別な日ですか?」
「いいえ。パースに旅行に来ていて、普通に美味しいイタリアンが食べたかったので来ました」

すると、彼は私たちに笑顔を見せながら「ビューティフル!」と言ったのです。普通であれば褒め上手の英語圏で、「ワンダフル」や「パーフェクト」という言葉はよく耳にしますが、「ビューティフル」と言われることはどこか新鮮で、とても嬉しい気持ちになりました。誰かにとって、私たち夫婦の姿が美しいと感じてもらえたのかなと思うと、この上ない幸せを感じます。

その日の夜、私は「美しい」という言葉について深く考えてしまいました。自然の中で綺麗な景色を見たときには、違和感なく「わあ、美しい…」と言えるのに、なぜ人の考え方や生き方、あるいはその人の言葉や行動に対して、「美しいですね」とストレートに伝えることは少ないのでしょうか。本当は、もっと伝え合っても良いのではないかと思ったのです。もちろん、日本や韓国などアジア文化においては、西洋の文化とはまた違った魅力が色々あると思いますが、世界のどこにいても人は誰もが、自分のことを「美しいね」と言われたらきっと嬉しいものだと思います。そして、その言葉は自己肯定感を高めてくれるものでもあるはずです。

今後についてですが、素直な気持ちを言葉として伝える習慣があまりない日本や韓国の環境であったとしても、私自身は、家族やミラリのメンバー、時にはミラリのお客様に対して「美しい」と感じたときには、「美しいですね!」「ビューティフル!」といった言葉を口にすることを大事にしていきたいと思います。なぜなら、その言葉を放つことによってきっと美しい瞬間は永遠に残ると信じるからです。

カン・ハンナより

一人ひとりのお客様に向けてメルマガでお届けしております「mirari letter」ですが、お送りした日から一週間後にはこちらのアーカイブでもお読みいただけます。今回のお手紙は、2026年3月9日(月)に投函されたお手紙です。今後投函される「mirari letter」をオンタイムで読みたい方は、ぜひメルマガにご登録くださいませ。

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お手紙の送り手

カン・ハンナ

株式会社Beauty Thinker代表取締役 / 「mirari」創設者

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韓国でニュースキャスター、経済専門チャンネルMC、コラムニストなどを務めた後、2011年に来日。タレントとして、NHK Eテレ「NHK短歌」へのレギュラー出演をはじめ、NHK「趣味どきっ!」、テレビ東京「未来世紀ジパング」など多方面で活動。 タレントとして活動する中で短歌と出会い、2016年から3年連続で「角川短歌賞」に入選。2019年12月には第一歌集『まだまだです』(角川)を出版した。母国語ではない日本語で歌集を刊行した初の外国人歌人として注目を集め、「Newsweek」「読売新聞」「日本経済新聞」など多くのメディアで取り上げられた。2021年3月には、歌壇に新風をもたらす歌人を表彰する「第21回現代短歌新人賞」を受賞。その後も『短歌』(角川)やNHK「短歌テキスト」で連載を持つなど、歌人としての活動の幅を広げ、2026年3月25日には二冊目となる短歌エッセイ集『カジョクのうた』(角川)を出版している。

2023年3月には、横浜国立大学大学院都市イノベーション学府にて博士号(社会学)を取得。主な研究分野は国際社会文化研究で、韓国、日本、中国など東アジアを中心に、メディア社会学および文化比較研究を行っている。2022年7月には初のビジネス書『コンテンツ・ボーダーレス』(クロスメディア・パブリッシング)を出版。経済メディア「NewsPicks」プロピッカーとしても活動し、TOKYO MX「モーニングFLAG」ではコメンテーターを務めた。

また、2025年度よりiU 情報経営イノベーション専門職大学の正教授に就任し、Global Contents Labの運営にも携わりながら、現在も教壇に立っている。

2019年には株式会社Beauty Thinkerを設立し、2020年11月に100%ヴィーガンコスメブランド「mirari」をローンチ。韓国と日本の植物や花の原料にこだわり、カン・ハンナ氏自らすべての商品開発およびブランドのクリエイティブディレクションを手がけている。

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